天牛(紙切り虫)

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カテゴリ: その他

日刊ゲンダイ

2020/10/02

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                                沿道の応援があればこそ…(2020年の東京箱根間往復大学駅伝のスタート)/(C)共同通信社

 

 東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)を主催する関東学生陸上競技連盟(関東学連)は9月19日付で、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年度の主催大会は全て無観客で実施することを加盟校に通知した。これを報道で知った大学関係者の反応はさまざまだが、箱根駅伝が史上初の無観客開催となれば、どんなことが予想されるのか。駅伝で無観客など可能なのか。

 

1974年から母校・順大で指揮を執り、箱根駅伝は4連覇を含む9度の総合優勝を果たした澤木啓祐氏(76=元日本陸連、日本学連、関東学連副会長、現順大大学院スポーツ健康科学研究科特任教授)に聞いた。

――箱根駅伝の無観客開催の一報を聞いたときはどう思いましたか。

「コロナ禍の影響により、数々のロードレースが中止になっている。私が理事長の日本ブラインドマラソン協会が主催する全国視覚障がい者駅伝大会(11月・大阪)も中止を決めた(12月日産スタジアムのトラックで代替大会)。

箱根駅伝は100年の歴史があり、関東学連としては、これまでの歴史と伝統を尊重し、形を変えてもいいから継続開催することを前提に考えていたと思う。しかし、観客のいない、もしくは非常に少ない箱根駅伝を、今は想像することができない」

観客の応援効果

――例年、往復路で沿道の観衆は延べ100万人以上ともいわれています。主催者が密集、密接を避けるため応援自粛を求めても、沿道がガラガラになることはないと思いますが。
「私もそう思う。毎年、スタートを見てから、2区中継所の1・2キロぐらい手前で観戦し、そこから箱根に向かう。2区では選手が通過する10分ぐらい前になると、ファンの方がどっと集まってきます。みなさん選手のことをよく知っているし、最後のランナーまで応援している。2区だけではない。毎年、自宅近くの沿道応援を楽しみにしている人たちに、『沿道に出てこないで、家でテレビ観戦してください』といって、どれだけの人が聞いてくれるだろうか」


――みんな、そう思っているはずです。
「箱根駅伝日本テレビの努力による完全生中継と、沿道での大応援でここまでの大会になった。応援効果はとても大きく、これ以上速く走ったらオーバーペースになるという心理的限界や、疲労などを感じる生理的限界を取っ払う。それが時に、信じられない記録につながることがある。沿道の大応援があればこそです。沿道にポツポツしか人がいなければ選手にとってはつらいですよ。無観客で試合をやっていたプロ野球選手に話を聞いてみたいですね」

 

――主催者はコロナの感染防止を考え、無観客の方針を打ち出したわけですが、箱根駅伝予選会(東京・立川、10月17日)出場チームに向けての諸連絡について、現場からは内容が厳しすぎるという声が出ています。
「それは知っています」


■ケース・バイ・ケースの対応

――箱根駅伝は大学にとって最大のイベントといっても過言ではありません。自分が感染してチームが大会に出られなくなれば責任を感じ、自殺者が出るのではと、心配する指導者もいます。
「感染者、濃厚接触者について具体的に明記しているので、あれはガイドラインと見るべきです。例えば、予選会の3週間前から部員や指導者などがPCR検査、抗原検査において『陽性』反応が出れば、いかなる場合でも、チームとして出場を認めませんとあるが、今は合宿所を2、3カ所に分散している大学もあるし、自宅から通っている部員もいる。順大の合宿は2人で1部屋から1人1部屋にしている。合宿所の実態や練習拠点など、大学によって異なる。実態にあった対応をするべきではないか」

 

――無観客開催に話を戻せば、高校野球連盟は入場者をコントロールできる甲子園大会を中止にしました。箱根駅伝の無観客開催は、ファンの意識、モラル頼みです。
「だからこそ、厳しすぎるというハードルを設けたのではないか」

――「ここまでやっている」ということを世間にアピールするためですか。それは大会開催に対する批判を和らげようという意図ですか。
「2日間公道を使ってのイベントですから、コロナ感染が終息していなければ、対策などに厳しいものが求められるのは当然です。一方で先も述べたように、関東学連は大学の実態をよく調べて、感染者が出た場合はケース・バイ・ケースで対応するべきです。4年生は箱根駅伝の活躍が就職に影響する。難問は多いですが、どうにか開催を実現させ、練習の成果を見せて欲しいですね」

 年末年始にはコロナ感染の「第3波」がやってくるともいわれている。関係者の不安は尽きない。

 (聞き手=塙雄一/日刊ゲンダイ)
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箱根駅伝は無観客開催…背後に透ける「傲慢とカネと宣伝」

日刊ゲンダイ

2020/09/23

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       「沿道に来るな」と言われても…(2020年1月の箱根大学駅伝)/(C)共同通信社

 


「中止」という選択肢はなかったようだ。

 正月(往路2日、復路3日)恒例の東京箱根間往復大学
駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟は20日、新型コロナ感染防止対策として、今年度の大会を「無観客」で開催することを発表した。

 

 コロナ禍により、すでに10月の「出雲全日本大学駅伝」や、12月の全国中学駅伝、来年1月の男女の全国都道府県駅伝が中止になった。大学駅伝では、全日本(11月1日)は開催へ向けて準備を進めているものの、ファンの注目度は箱根の比ではない。

 箱根は2日間で延べ100万人以上のファンが沿道を埋め、中継する
日本テレビ系の視聴率は30%前後の「ドル箱番組」だ。沿道応援ができない来年の数字は「50%に迫るのではないか」という声もある。

 あるマスコミ関係者が言う。

 

「無観客開催は、創設100周年の伝統と絶大なる人気によるものです。無観客なら、『中止にしろ』という声は大きくならないと読んだのでしょうが、駅伝は公道を長時間占拠するイベントです。主催者は観客数をコントロールできない。

 

『沿道応援はやめてテレビを見て』というのは、感染防止策を打ったという“アリバイづくり”みたいなもの。そんな要請をどれだけの人が聞き入れるのか。応援自粛を求めた今年の東京マラソンでさえ7万人以上が沿道に集まった。ファンに対しては対策を講じず、沿道応援する、しないは観衆に委ねるだけでいいのかという声は必ず出てきますよ」

 この冬はインフルエンザの流行と同時にコロナの第3波がやってくるのは必至。沿道の観衆から多数の感染者が出たら、主催者は「自粛要請したので知りません」とでも言うのか。


■実業団も同じ

箱根駅伝は関東の大学にとって大きな宣伝になる。だから、大手スポーツメーカーも駅伝部のスポンサーになっている。

「中止になれば2億5000万円ともいわれる放映権料は主催者に入らない。これは実業団もまったく同じ。指導者は『マラソンより駅伝。駅伝がすべて』というのが本音。大学も実業団も、カネと宣伝になるイベントを中止にするわけにはいかないのです」(実業団OB)


 全日本実業団駅伝の主催者(日本実業団陸上競技連合)は、女子の予選会参加申し込みチームに対しての「現地での応援自粛のお願い」の中で「公道を使用する駅伝大会の場合は、競技場で行う競技会のように無観客大会にして感染拡大を防止することはできません」と記している。無理を承知で開催するというわけだ。


使われなくなった鉄路がなぜ人気に? 「廃線先生」が挙げる9つの廃線跡

AERAdot.(編集部 野村昌二)

2020.9.27

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【日本屈指の難所「めがね橋」が見事】信越本線(横川~軽井沢)/群馬県・長野県/当時の土木技術の粋を集めて建設された、碓氷第3橋梁(通称「めがね橋」)。長さ91メートル、高さ31メートル。横川~軽井沢間にあり、重要文化財に指定されている(写真:松本典久さん提供)

 

 廃線となった跡を歩く。ただそれだけなのに、夢中になれる。そこには往年の姿を彷彿させる痕跡も。「廃線先生」で知られる松本典久さんが、AERA2020928日号から、とっておき9カ所の廃線跡を紹介する。

 4連のアーチが美しいカーブを描く。聞こえるのは、鳥のさえずりくらい。

 都内在住で鉄道好きの女性(38)は昨年初夏、友人と一緒に「碓氷峠廃線ウォーク」に参加し、気持ちが解放されていくのがわかった。

 この廃線ウォーク、1997年に廃線となった「信越本線の横川~軽井沢」間を歩く人気イベントで、201810月にスタートした。

 横川~軽井沢の線路長は11.2キロ。枕木の上を一歩ずつ進んでいきながら、いくつものトンネルを抜け、日本最大級のレンガ4連アーチ橋、「めがね橋」を歩くのだ。女性は言う。

「廃線歩きの醍醐味は、時の流れに取り残されたような静けさを感じられることです」

 廃線跡を歩く──。もとは一部の鉄道マニアの楽しみ方の一つだったが、今や若い女性も夢中になるなど立派な「市民権」を得た。

■「アプトの道」を歩く
 しかし、列車は走っていないのに、使われなくなった鉄路に魅せられるのはなぜか。「廃線先生」として知られる鉄道ジャーナリストの松本典久さん(65)は、廃線探訪の魅力をこう語る。

「かつて運行されていた、あるいは運行しようとされていた鉄道が使われなくなり、今どのような姿になっているのか。それらを知ることすべてが楽しみなのです」

 そんな松本さんが数ある廃線の中でトップに挙げたのが、鉄道ファンにはお馴染み、冒頭で紹介した「信越本線 横川~軽井沢」間だ。

 信越本線の開通は1893(明治26)年。群馬県の高崎駅を起点に、長野駅と直江津駅を経由し新潟駅に達する327.1キロ。その途中にあったのが横川~軽井沢間(碓氷線)だ。

 碓氷線を全国に知らしめたのが、その険しさにある。線路長11.2キロだが、最大の高低差が553メートルの急勾配。これを克服するため、機関車の歯車と2本のレールの間の歯車をかみ合わせる「アプト式」が導入された。

しかし19979月、北陸新幹線の高崎~長野間の開業にともない、100年余りの歴史に幕を下ろした。それが今は遊歩道「アプトの道」として整備され、誰でも気軽に歩くことができるようになった。途中にあるのが、碓氷第3橋梁(きょうりょう)、通称「めがね橋」だ。レンガ造り4連アーチ式で、日本の近代化を担った。松本さんは言う。

「深い森の中に包まれた廃線跡を見ていると、碓氷峠という鉄道には極めて厳しい地形に線路を敷設した明治期の人々の意気込みが今に伝わってきます」

■往年の姿を彷彿させる
 今回、松本さんにこの時期におすすめの廃線9カ所を挙げてもらった。

 東北から中国地方まで、どれもかつては隆盛を極めながら、時代とともに廃線となった鉄道だ。共通するのは「往年の姿を彷彿させる何かしらが残っている」(松本さん)点だ。そしてそこには「痕跡」があると話す。

「線路脇の草むらに転がっている犬釘のように、本来は廃線の際に鉄材として回収されるゴミのような痕跡もあれば、鉄道としての構造物に価値を見いだし公の機関が文化財として認める痕跡もあります。私自身、どちらに出合っても楽しみとなります」(松本さん)

 滋賀県と福井県とを結んだ「北陸本線旧線」は、そんな痕跡が色濃く感じられる廃線跡だ。

「北陸本線旧線は大半が明治期の建設で、建設に苦労した。理由の一つは険しい地形にありながらトンネルを掘る技術が未熟で、長いトンネルをつくるのが困難だったこと。結果として、急勾配や大きな迂回を余儀なくされました」(松本さん)

 その一つが、木ノ本(滋賀県長浜市)~敦賀(福井県敦賀市)~今庄(いまじょう・同県南越前町)間だ。この区間は、北陸本線旧線の中でも建設年代が早く、地形も険しいことから短いトンネルが連続した。急勾配を避けられず、ジグザグに坂を上る「スイッチバック方式」の駅が敦賀~今庄間(26.4キロ)に四つもあった。

 戦後、国鉄は北陸本線のネックとなっていた区間を新線へと改良していった。

 敦賀~今庄間は1962年、総延長13870メートルの北陸トンネルが開通すると同時に廃止となり、国道や市道に転用された。一方、木ノ本~敦賀間(26.1キロ)は57年、北陸本線から「柳ケ瀬線」として分離され支線として残ったが、赤字経営のため64年、廃線となった。松本さんが言う。

「いま木ノ本~敦賀~今庄間の旧線跡はほとんどが道路に転用され、トンネルもほぼそのまま残り往年の雰囲気を味わうことができる。また、雪除けなどの設備がそのまま活用され、スイッチバックの様子が確認できるところもあります」

 福島県内を走っていた、沼尻鉄道は、NHK朝の連続テレビ小説「エール」で注目が集まる廃線だ。主人公のモデルとなった古関裕而(こせきゆうじ)が作曲し、丘灯至夫(おかとしお)が作詞して54年に大ヒットした懐メロ「高原列車は行く」の曲のイメージが、沼尻鉄道だった。

 鉄道はもともと同県猪苗代町にあった沼尻鉱山の硫黄を運ぶことを目的に1913(大正2)年に運行開始。廃線となる68年までの55年間、川桁~沼尻の約16キロを結んだ。今、線路跡はほぼ道路となり、たどることができる。

 地方だけではない。横浜や東京、大阪といった大都市にも廃線跡はある。

「汽車道&山下臨港線プロムナード」は、横浜に残る廃線跡だ。

 桜木町駅前から赤レンガ倉庫に向かう「汽車道」と、赤レンガ倉庫と山下公園を結ぶ「山下臨港線プロムナード」からなる。

 もともと鉄道と横浜港の結節点として明治末期から戦後にかけて整備されたが86年に廃止となり、今は遊歩道となっている。長さ約1キロ。みなとみらい21地区のホテル群や大観覧車を遠くに見ながら、海風に吹かれて歩くのも悪くない。

■できる限り事前調査を
 より廃線歩きを楽しむにはどうすればいいか。最後に松本さんにアドバイスをもらった。

「旅は事前調査しすぎると現地で発見の楽しみを損なうこともありますが、廃線探訪はできる限り事前調査をしていくことをすすめます」

 冒頭の信越本線の横川~軽井沢のように観光地化されたところはマップや説明が用意されているが、こうしたケースは稀有。現地に説明がない廃線すらあり、耕作地を横切っていた線路では一面が田畑になっている場合もある。

「最低でも、現役当時のルートと現在の地図とを見比べ、廃線跡の見当をつけて出かけてほしい」(松本さん)

 
 ただ残念ながら、新型コロナウイルスの収束はもう少し先。廃線歩きは、感染対策もしっかりして出かけよう。(編集部・野村昌二)


AERA 2020928日号

DIAMOND online(横山明日希:math channel代表)

2020.9.25

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2人以上で新幹線に乗る場合、「離れて座りたくない」もあれば、「無関係な人が割り込んで欲しくない」も悩む条件になる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 

学生時代に数学を習っていた時からずっと苦手意識がある、という文系の人は多いのではないでしょうか。しかし、数学に苦手意識がある人とない人の違いは、成績ではなく、「そうだったんだ!」という納得感を体験したか、していないかだったのです。そこで今回は、「数学のお兄さん」として数学のおもしろさを伝える活動をしている横山明日希さんの新刊『文系もハマる数学』(青春出版社)から、数学を身近に感じられる雑学を紹介します。

新幹線が2人席と3人席の並びになっている理由とは

 新幹線の指定席をWebサイトで予約する時に悩むことはありませんか?僕も悩みはじめて深く考え込んでしまったことがあります。「どこの座席にするべきか」ではありません。なぜ「新幹線の座席は、2列と3列なのだろう?」と。

 そこで頭に浮かんだ言葉が「旅は道連れ」です。1人であれば、空いている席すべてが選択肢で、選ぶ条件は個人的な好みです。混んでいる時間なら、座れればどこでもOKと考えるかもしれません。

 しかし、2人以上ならどうでしょうか?「離れて座りたくない」もあれば、「無関係な人が割り込んで欲しくない」も悩む条件になりそうです。この悩みを解決してくれる仕組みが、実は、「2人席、3人席」の座席配列に隠されていたのです。

これは数式を使えば解き明かすことができますが、ここではわかりやすく「条件の列挙」で考えてみましょう。新幹線の座席の配列によって、「何人ずつ座れるか」を検証してみます。

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 こうして見ると、2列・3列では、「さまざまな人数の組み合わせでも近くに座席を確保できる」ことがわかります。

 この2列・3列の座席の組み合わせによって「旅の道連れ」を最適化できる座席選択が可能になり、「新幹線の旅」が、良い思い出を作りやすい環境を作っていたのです。

クレジットカードの16ケタの番号はセキュリティ目的ではなかった!?

 キャッシュレス決済がコンビニやスーパーでも日常化し、対面レジでのカードをやり取りする機会が増えました。一方で、Webサイト上でのクレジットカードによる決済では、16ケタのカード番号の入力や登録の「手間」が求められます。

 Webサイトにカードの番号を入力するのは、不安に思う人もいるのではないでしょうか。16ケタも入力するのは間違いが多くて面倒くさいという人もいると思います。なぜ、16ケタの番号を求められるのでしょうか。

「トラブルが起きないようにセキュリティがかけられている。その厳重さがケタ数の多さだ」。そう考えている人は多いようです。しかし、Webサイトでの通信販売の決済時にはカード裏面にある3ケタの「セキュリティ番号」を求められます。裏面の3ケタがセキュリティ目的の番号なら、表面の16ケタの数字は何のためにあるのか不思議になりませんか?

 実は、Webサイトで16ケタの数字の入力を求めるのは「入力画面の前にいる人物が、そのカードを手にしている人かどうか」の確認のためなのです。もちろん、「PCやスマートフォンがあなたを監視している」わけではありません。その確認はとても単純な仕組みによって行われています。

 16ケタの番号には、それ自体に機能が隠されています。「チェックサム」と呼ばれるもので、決められた番号配列のルールと異なる数字を入力すると「検出不能=入力間違い」としてエラーになる仕組みです。

つまりカード番号を入力した時点では、その番号とあなたの登録個人情報を照合して確認しているわけではなかったのです。エラーは、単純に「ちゃんとカードを見て、正しい番号を入れて!」と、入力のやり直しを求めているのです。

 自分も気づかない入力ミスが、なぜ「ばれる」のか、ちょっと不気味でもありますね。それは、16ケタの番号が「ルーン・アルゴリズム」という数学的なルールを持った仕組みで決められた配列になっているからです。

 人間には少々手間のかかる計算ですが、Webサイト上の入力画面に組み込む機能としては軽いデータで済む仕組みです。その場で人為的な「入力ミス」を判断し、「ちゃんとカードを見て!」「本当にカード番号を知っていますか?」という意味でエラー表示を出していたということです。

 このように、数学は意外と身近な所にも潜んでいるのです。「これが将来何の役に立つのか?」と思いながら数学を勉強している学生たちも、数学のおもしろさ・奥深さを知ればきっと、“ハマる”ことができるはずです。


本コラムの著者・横山明日希氏の新刊が発売中!

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        『読みだしたら止まらない!文系もハマる数学』 横山明日希著 青春出版社刊 1000円+税

 子どもから大人まで大人気の「数学お兄さん」が教える、おもしろい数学知識が満載の一冊。
「東京スカイツリーが三角形でできている理由」
VIIIVXII…、わかりにくいローマ数字の誕生秘話」
「ウイルス検査の人数を多くすると何が起こるか」
 など、身近な謎から考えたくなる不思議まで、珠玉の話を収録しています。
 数学嫌いの人、役に立たないと思っていた人ほど、世の中の見方が一変します。

 

日本経済新聞(岡松卓也)

2020/9/24

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梅棹の着想の源となった資料群のデジタルアーカイブズ

 

比較文明学の泰斗・梅棹忠夫の生誕100年を記念した企画展「知的生産のフロンティア」が、梅棹ゆかりの国立民族学博物館(大阪府吹田市)でこのほど開幕した。100刷、累計146万部に達したロングセラー「知的生産の技術」1969年、岩波新書)が生み出されるまでの舞台裏に焦点を当て、梅棹の情報整理術がいち早くIT(情報技術)社会を地ならししていたことを示している。

知的生産の技術は梅棹の代表作のひとつ。文章などをまとめる前に、順不同で湧いてくるアイデア個々を紙片に書きつけておき、広げ直して並べ替え、系統らしきまとまりに組み上げるまでの実践術を提唱している。着想を可視化して脳内作業の負荷を軽くする手法だ。もともとは梅棹が参加したモンゴル探検ほかの報告を書くにあたり、現地で記録した膨大な調査ノートなどの資料整理にせまられて編み出されたという。

企画展メンバーの小長谷有紀・国立民族学博物館客員教授は「『カードは、わすれるためにつけるもの』と述べているように、梅棹は情報整理のノウハウを説くかにみせて、実はノウハウの背後にある原理を書いている。IT社会の今日を見据えたかのように、半世紀前にいち早くパソコンが肩代わりすべき作業内容を指摘していた。出版後半世紀たっても主張が古びないのはそのためでは」と語る。

会場ではフィールドノート、写真、スケッチ、B6判カードの実物や鎧(よろい)のパーツにたとえた「こざね」を模造紙に並べ替え貼り付けたものなどを展示。目を引くのがデジタルアーカイブズ。写真35000点、スケッチ600点、フィールドノート180冊、ローマ字カード4000枚ほかからなるデジタル化資料群を、索引条件で仕分け・くくり直し、ディスプレーにタッチしながら閲覧できるようにした。実物は触れることのできないノートも、1ページ1ページをめくり探せる。

121日まで。京都大にも来年に巡回予定。

 小長谷客員教授は「かつて『知』と『生産』は違う分野で使われていた概念同士。それを結びつけて『知的生産』ということばにしたのが斬新。また研究者や専門家だけの独占物と思われていた『知的生産』の営みを、普通の市民でもひらたく使いこなせると提唱したのも梅棹の真骨頂」と解説する。


 
<関連記事>

「世界史とわたし」~文明を旅する~(梅棹忠夫著)ーNHKブックス(1997.8.25)

http://kairou38.livedoor.blog/archives/24609244.html 

日刊ゲンダイ

2020/09/23

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       「沿道に来るな」と言われても…(2020年1月の箱根大学駅伝)/(C)共同通信社

 


「中止」という選択肢はなかったようだ。

 正月(往路2日、復路3日)恒例の東京箱根間往復大学
駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟は20日、新型コロナ感染防止対策として、今年度の大会を「無観客」で開催することを発表した。

 

 コロナ禍により、すでに10月の「出雲全日本大学駅伝」や、12月の全国中学駅伝、来年1月の男女の全国都道府県駅伝が中止になった。大学駅伝では、全日本(11月1日)は開催へ向けて準備を進めているものの、ファンの注目度は箱根の比ではない。

 箱根は2日間で延べ100万人以上のファンが沿道を埋め、中継する
日本テレビ系の視聴率は30%前後の「ドル箱番組」だ。沿道応援ができない来年の数字は「50%に迫るのではないか」という声もある。

 あるマスコミ関係者が言う。

 

「無観客開催は、創設100周年の伝統と絶大なる人気によるものです。無観客なら、『中止にしろ』という声は大きくならないと読んだのでしょうが、駅伝は公道を長時間占拠するイベントです。主催者は観客数をコントロールできない。

 

『沿道応援はやめてテレビを見て』というのは、感染防止策を打ったという“アリバイづくり”みたいなもの。そんな要請をどれだけの人が聞き入れるのか。応援自粛を求めた今年の東京マラソンでさえ7万人以上が沿道に集まった。ファンに対しては対策を講じず、沿道応援する、しないは観衆に委ねるだけでいいのかという声は必ず出てきますよ」

 この冬はインフルエンザの流行と同時にコロナの第3波がやってくるのは必至。沿道の観衆から多数の感染者が出たら、主催者は「自粛要請したので知りません」とでも言うのか。


■実業団も同じ

箱根駅伝は関東の大学にとって大きな宣伝になる。だから、大手スポーツメーカーも駅伝部のスポンサーになっている。

「中止になれば2億5000万円ともいわれる放映権料は主催者に入らない。これは実業団もまったく同じ。指導者は『マラソンより駅伝。駅伝がすべて』というのが本音。大学も実業団も、カネと宣伝になるイベントを中止にするわけにはいかないのです」(実業団OB)


 全日本実業団駅伝の主催者(日本実業団陸上競技連合)は、女子の予選会参加申し込みチームに対しての「現地での応援自粛のお願い」の中で「公道を使用する駅伝大会の場合は、競技場で行う競技会のように無観客大会にして感染拡大を防止することはできません」と記している。無理を承知で開催するというわけだ。

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