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カテゴリ: 日本政治・経済・社会関係

「電波の開放」が未来の変革に繋がっていく

東洋経済オンライン( 英史: 政策工房代表取締役社長)

2020/10/27

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菅政権ではデジタル化推進が大きな課題になっています(写真: Graphs PIXTA

 

急速なデジタル化が現政権で掲げられる中で、さまざまな課題も浮き彫りになっています。政策工房代表で『国家の怠慢』を上梓した原英史氏は、今こそ電波分野での規制改革をすべきだと主張します。その真意はどこにあるのでしょうか。

菅政権では「規制改革」が最重要課題だ。喫緊の懸案が「デジタル変革(DX)」への対応であることは論をまたない。オンライン診療もオンライン教育も、行政・官民の諸手続きのデジタル化(象徴的には印鑑の問題)も、技術的にはとっくの昔に可能になったことが、規制で阻まれてきた。長年課題とされてきたがなかなか進まず、コロナ禍で問題が露呈した。

「デジタル変革」は、古い仕組みからの転換を伴う。古い仕組みにはしばしば利権がへばりついていて、規制を隠れ蓑に変革を阻む。だから、多くの分野でちょっとしたオンライン化が思わぬほど抵抗を受けるが、その代わり、ひとたび進めば、それぞれの分野で根本的な変革につながる。「デジタル変革」を進める価値は大きい。

裏側にある重要課題が「電波」

「デジタル変革」の進む社会を支える基盤として、裏面にある重要課題が「電波」だ。AIもロボットも自動走行も自動飛行も、電波がなければ機能しない。

例えば「スマート農業」で、農作物の状況をセンサーで把握し、無人ドローンで最適な肥料散布をしようとすれば、センサーからデータを飛ばすにもドローン操作にも電波がいる。「スマート防災」「スマート工場」「スマート建設」「スマート介護」なども同様だ。

旧来の移動通信(携帯電話)は、基本的に人と人をつないでいた。これからは、人口をはるかに上回るモノとモノが電波でつながり、データをやりとりするようになる。電波の重要性は飛躍的に高まっていく。

ただ、問題は、電波の帯域は有限で、とりわけ使い勝手の良い帯域は希少であることだ。電波は歴史的には、最初は防災・救急などの「行政」が主たるユーザーで、その後ラジオ・テレビの「放送」が現れ、1980年代以降に「携帯電話」が加わった。

使い勝手の良い帯域は、古くからの住人にとっくに占有されている。そこで、いかに帯域をあけるかが重要になる。

「電波の開放」は、最先端で未来を切り拓けるかどうかに直結する。このため、アメリカではオバマ政権下の2012年、まず「行政」をターゲットに、連邦政府用の周波数から最大1000メガヘルツ幅を官民で共用する「周波数スーパーハイウェイ」構想が打ち出された。イギリスでも2010年頃から目標を定めて公共用周波数の民間開放が進められた。

日本でもやや遅れて2017年頃から、政府の規制改革推進会議や自民党行政改革推進本部でこうした議論がなされた。当時の河野太郎本部長のもとで、「ブラックボックス状態の解消」「公共用周波数の資産価値の精査を行い、政府資産として管理・有効活用」などを求める提言も出された(自民党行政改革推進本部官民電波利活用PT「公共用周波数の民間開放に関する緊急提言」20175月)。だが、その後の実現状況は不十分で、課題が残されている。

ブラックボックス的な色彩が濃い

「電波」が特殊なのは、政府が割り当て権限を握り、特に日本の場合、「すべては総務省の判断次第」というブラックボックス的な色彩が濃いことだ。

不動産と対比してみると、例えば賃料の安いエリアで、ゆとりある広大なオフィスを構えている企業があったとする。あるとき何らかの事情でそのエリアのオフィス需要が急激に高まれば、賃料が上がり、その企業は自ずと余剰スペースを放出し、新規参入者が入りやすくなる。

ところが、電波ではこうしたメカニズムが働かない。総務省が割り当てを行い、いったん割り当てがなされれば、行政部門なら通常無料、民間事業者でもリーズナブルな賃料(電波利用料)で使える仕組みだからだ。

もちろん、有効に利用されているかどうかを総務省がチェックし、必要に応じ再編することにはなっている。ただ、この仕組みの限界は、旧来の占有者に自ら効率化を図るインセンティブがなく、また、政治力の強い占有者にはどうしても手を出しづらいことだ。

典型例が「放送」だ。日本では地上波デジタルテレビは40チャンネル分、帯域でいうと470710メガヘルツという広大な領域を占めている。言うまでもなく、実際に運営されているチャンネル数はそんなに多くはなく、せいぜい8つ程度だ(地域によってはずっと少ない)。

放送事業者の言い分は、電波が県を越えて飛び混信するのを防ぐためチャンネルを使い分けなければならず、これぐらいの帯域が必要、ということだ。これに対し、縮減できるはずとの主張は以前からあった。

かつて規制改革推進会議でもこの問題を議論したが、放送事業者の答えは結局、帯域をあけることは不可能ではないが、再編にはコストがかかり「経済性」の問題がある、とのことだった。

つまり、問題はコストなのだ。NHKも民放も、40チャンネル分の帯域を占めていても微々たるコストしかかからない。電波使用料を払うのは40のうち実際に使われている分(茨城県ならばトータルで7チャンネル分)だけであり、金額でみると全国放送のNHKで年間25億円、民放キー局はそれぞれ6億円程度にすぎない(2019年度)。それでは、わざわざコストをかけ帯域を効率化しようとするわけがない。

ほかにも、「NHKEテレは基本的に全国同一なのだから、衛星放送に切り替え、地上波帯域をあけられるはず」などの議論もある。さらに、番組のインターネット配信は今後もっと本格化していく。県ごとのローカル局がそれぞれ放送波で番組を流す構造は、そろそろ見直すべき時期だ。

市場メカニズムを活用するアメリカ

だが、こうした議論も一向に進まない。帯域占有があまりに安価で、効率化のインセンティブが働かず、一方で、総務省や政治はテレビにはなかなか手を出せないからだ。

アメリカでは、帯域をあけるため20162017年に「インセンティブオークション」が実施された。従来テレビ用だった614698メガヘルツ帯域をオークションで買い上げ、通信事業者に売却する2段階のオークションだ。結果的に約100億ドルで買い上げ、約200億ドルでTモバイルなどに売却された。

中国では20204月、従来は放送用だった700メガヘルツ帯の96メガヘルツ幅が移動通信用に用途変更された。市場メカニズムを活用するアメリカと、政府が強力に再編を進める中国。その狭間で、どちらも中途半端な日本が「電波の開放」に出遅れるようなことになってはいけない。

「電波オークション」は、古い政策課題だ。「規制緩和」が潮流となった1980年代から、世界各国で盛んに議論された。かつて20世紀終盤までの世界では、西側諸国でも一定の経済統制が標準的だった。

運輸・通信・電力・金融など多くの分野で、政府が価格や供給量を統制し、あるいは、最も強力な規制態様である国営・公営の事業運営がなされていた。転換の先がけとなったのがカーター政権の航空自由化で、その後、レーガン政権、サッチャー政権で規制緩和と民営化が強力に進められ、世界に広がった。日本でも同じ時期、中曽根政権で国鉄や電電公社の民営化などが実現した。

根底にある考え方は、政府の役人が経済活動をすべて把握して最適配分などできるわけがない、ということだ。経済活動が大きく広がり複雑化する中で、政府の統制は非効率や成長阻害など負の側面が拡大していた。

オークションで入札額に応じて割り当てる

「電波オークション」もその1つだ。かつては世界各国とも、誰に割り当てるべきかは政府が判断する「比較審査」方式がとられていた。しかし、政府の役人は「全知全能」ではないし、政治的圧力で歪んでしまうこともある。それならば、「オークション」で入札額に応じて割り当てたほうが、公正に有効利用が図れるはずだ。

もともとは経済学者のロナルド・コースが1950年代に提唱し、「規制緩和」の流れの中で議論が本格化し、1980年代末以降、携帯電話の普及とともに世界各国で導入された。今や、先進諸国はもちろん、インド、タイ、台湾などにも広がっている。

実務の進展と連動して学術研究も進み、2020年ノーベル経済学賞には、電波オークションの理論的研究を行ったスタンフォード大のポール・ミルグロム教授、ロバート・ウィルソン名誉教授が選ばれた。ミルグロム氏が制度設計を担った2G周波数オークションの成功は、3G以降に多くの国でのオークション導入につながったとされる。

そうした中で、OECD諸国で唯一、「電波オークション」を拒み続けてきたのが日本だ。議論は前世紀からあったが(1995年~行政改革委員会規制緩和小委員会など)、総務省(前世紀には郵政省)、携帯事業者・放送事業者など既得権者が強力に反対し、導入が阻まれてきた。

なお、世界各国でオークションが導入されているのは基本的に携帯電話への新たな割り当てに際してだ。本来は放送事業者はあまり関係ないはずだが、一緒に対象にされるとの危惧からか、強力な反対を続けてきた。

オークションに反対してきた理由

規制改革推進会議での議論などを経て、2019年になってようやく、電波法改正で「価格競争の要素を含む新たな割当方式」が創設された。先進各国から20年以上遅れ、現在5G用の1.7ギガヘルツ帯で導入が準備されつつあるが、価格競争がどの程度機能するかはこれからの段階だ(制度上は、価格競争の要素が99%でも1%でもよいことになっている)。

総務省や携帯事業者がオークションに反対してきた理由は、(1)オークションを導入すればコスト負担が嵩み、通信料金を上げざるをえなくなる、(2)コスト負担から設備投資が遅れる、(3)外資参入で安全保障上の問題が生じる、といったことだ。

このうち(3)は、必要な外資規制は導入すればよいだけの話で、そもそもオークションとは関係ない。比較審査方式のもとでボーダフォンが参入していたことも周知の事実だ。

1)と(2)についてはどうか。日本の現状をみれば、通信料金は、オークションを導入した各国と比べ、むしろ高い。設備投資では、4Gの通信品質は比較的良かったが、5Gではアメリカ・韓国などに大きな後れをとった。

結局、日本の携帯事業者は、世界で稀な「安価に電波を利用できる環境」を与えられながら、これを活かせず、寡占状態で顧客を囲い込むビジネスモデルに安住してきた。

その一方で、アップルとの不当な取引関係など、GAFAはじめグローバルな巨大事業者からは利益を吸い上げられ、結局は消費者に転嫁してきた。

希少な電波の帯域上で、不健全な市場ができあがっていたわけだ。総務省は長年、「電波割り当ては自分たちに任せてもらえれば、最も有効な電波利用を実現できる」と主張していたが、この結果をみても、主張は破綻しているように思える。

菅政権で「携帯料金引き下げ」が課題とされているが、根本的な課題は不健全な競争環境だ。総務省は、携帯電話市場において、健全な競争環境の実現に失敗してきた。

前世紀からの歴史に話を戻すと、1980年代の初期には「規制緩和」(deregulation)という言葉が世界中で用いられた。これが1990年代以降「規制改革」(regulatory reform)と言い換えられるようになる。考え方は、規制は単にすべてなくせばよいのではなく、必要なルールは設けて競争を促進し、市場が適正に機能するようにしなければならない、ということだ。

例えば、電電公社を民営化して通信自由化がなされた当時、NTTは巨大な存在で、ただ「新規参入が可能」といっても独占状態が続くだけだった。そこで、支配的事業者に特別な義務を課す「ドミナント規制」を導入し、NTTの通信網の開放を進めた。市場メカニズムを実質的に機能させるために「競争促進」を行い、その成功で通信産業は大きく変貌した。

新規参入と競争を促進する必要

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今なすべきことは、かつての通信行政に改めて学び、新規参入と競争を促進し、本来の「規制改革」を実行することだ。例えば、電波割り当てでは、新規参入者への優遇などもあってよいはずだ。国内市場だけでなく、世界での競争環境にも目を向けなければならない。

グローバルな巨大企業への独禁法適用は課題だ。また、世界ではATTがタイム・ワーナーを買収するなど、業態を超えた大再編が進む。日本で大再編を妨げかねない規制(例えば、認定放送持株会社の議決権保有は3分の1までしか認められないなど)は見直していく必要があるだろう。

また、本稿前半で述べた「行政」「放送」帯域から「新たなニーズ」への切り替えも不可欠だろう。こうした規制改革を本気で進めず、その場凌ぎの料金引き下げだけに終わるようならば、日本の経済社会の未来は拓けない。

 

連載「コンビニ百里の道をゆく」

AERAdot.(竹増貞信:ローソン代表取締役社長)

2020.10.26

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竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。166月から代表取締役社長

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棚いっぱいに商品が並ぶ中国・遼寧省瀋陽市のローソン店内の様子


「コンビニ百里の道をゆく」は、51歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

 

 中国政府が、国内のコンビニ店舗数を2022年までに現在の倍以上にあたる30万店舗にまで増やす計画を打ち出しました。背景には、新型コロナウイルスの感染拡大時に、食品や日用品を提供する場としてコンビニが注目されたことがあるようです。

 ローソンは19967月に上海に中国1号店をオープンさせて以来、24年が経ち、今年1013日に3千店舗を突破しました。これにより、中国本土における日系コンビニの中での店舗数が最大規模となりました。この倍増計画をローソンに当てはめて単純計算すると、22年までに6千店舗にすることになります。このスピード感であれば、日本国内の店舗数を超える日もそう遠くないかもしれません。

 コロナ禍では、リモートワークや休校などの影響で売り上げは減少しましたが、学校が再開され、ウイルスが落ち着いてからは人の動きも活発化。上海などでは8月後半から日販が大きく回復しています。各地で宅配サービスの導入も好調で、前年比110%超の売り上げ増となった地域が出てくるほどです。

 中国全土でのコンビニへの期待は大きなものを感じます。実際、中国政府の方から新しい地区への出店依頼もいただいています。

 7月には、江蘇省にローソンとして中国初のプレハブ型店舗をオープンさせました。店舗の移動や再設置が可能で、建設現場や駐車場などにも店舗拡大ができるようになりました。常に発展している中国で、プレハブ店舗の需要にも可能性を感じています。

 一方、中国では、お弁当やベーカリーといったオリジナル商品の工場や低温管理された物流を自ら整備しないといけないエリアもあります。運営や商品、店舗開発、そしてバックオフィスが四位一体となってローソンクオリティーを保ちつつ、中国進出を強化していきたいと考えています。

竹増貞信

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。166月から代表取締役社長

AERA 2020112日号

 

MAG2NEWS ( by 編集部サトシュウ )

2020.10.26

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外国資本による土地の売買が増えていることを受け、政府が土地購入者に国籍などの事前届け出を義務付ける法整備を検討していることがわかったと
産経新聞が報じている。重要防衛施設周辺と国境離島に区域を対象にするとみられていて、日本の土地が外国に買われてしまうことに、政府も危機感を抱いているようだ。

外国資本による土地購入に政府がメス

私有地に関して現行の制度では、日本政府に所有者の国籍など個人情報を確認する権限がない。そのため、外国資本による日本の不動産購入に歯止めがかからない実態がある。日本の土地が、いつの間にか外国のものになってしまっているということだ。

この問題について、メルマガ『鈴木傾城のダークネス・メルマガ編』の著者で作家の鈴木傾城氏は、中国籍住民に占拠された「チャイナ団地」が日本各地で増加していることを指摘。『中国が画策する日本占領計画の恐怖。“チャイナ団地”はその橋頭堡と気づけ』の記事の中で、その危険な実態を暴いている。

「チャイナ団地」は侵略の第一歩

鈴木傾城氏によると、どこの地域にもある普通の団地が、中国人が多く住みつくことで乗っ取られてしまうような状況になり、周辺店舗を含めて中国化してしまっているという。

「チャイナ団地」と呼ばれる、こうした団地を拠点とした「侵略」はすでに始まっていて、中国は日本を標的にしていると鈴木傾城氏は指摘。

現行制度において、このような中国人の居住は別に違法でも何でもないが、こうした「点」はやがて「面」となり「領」となる危険性をはらんでいるとしている。

「土地購入」という手段でジワジワと侵略する中国

日本人は1平方メートルですらも中国の土地を買うことはできないのに、中国人はどんどん日本の土地を買い続けているという事実。

鈴木傾城氏によると、北海道では中国や外国資本によって東京ドーム515個分の水源地が購入されているという事実があるいい、約15000ヘクタールの土地はもう日本のものではないと伝えている。

これは北海道だけではない。東京や新潟でも中国人による大規模な土地購入が進められ、地元住民による反対運動を受けるということが起きている。九州や四国でも森林の買収を中国人が画策しているという。

他にも、外国資本による土地買収例としては、長崎・対馬で海上自衛隊基地の近接地を韓国資本が買収したケースがある。

このような侵略をこれ以上増加させないためにも、政府は近日中に有識者会議を設置し、年内に法整備の方向性について提言をまとめる方針で、来年の通常国会での法案提出を目指すとしている。

image by: 首相官邸

アゴラ(山田 太郎

20201025

23日朝8時から開催された自民党の「デジタル社会推進本部」。今回の会議では、政府の“マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤改善の議論について”報告がありましたが、私はシステムの専門家として、政府のデジタル庁の議論があまりにも拙速ではないかという懸念を強く訴えました。

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私は、この日本のデジタル化を山登りに例えました。山登りをするときには、登る前にまず「どの山に登るのか」「本当にその山に登る必要があるのか」ということを決めることが重要です。そして、「その山に登ったらどんな景色が待っているのか」登る皆でそのゴールを共有することが重要です。

しかし、現在の政府は、『マイナンバーをどう普及させるか』、『システムはどうするか』という方法論ばかりが先行しています。それは、「どの道具を使って山に登るか」という議論で、ロープを買い変えたり、ピッケルを磨いたりしているのと同じです。

マイナンバーは認証のシステムにすぎず、重要なことはカードの普及率ではありませんe-Govは国民のライフサイクル視点を中心に考え、一生を通しポータルでどのようにサービスを提供していくのか。

ということが本質であり、個人認証は最終的には生体認証でも良いわけです。つまり、e-Govの本質は出生届の提出や、保育園検索、転入転出、介護など生活に必要なすべての行政手続きをポータルサイトで行えることはもちろん、地域で蓄積されたデータを分析し活用することで、住民の課題を解決することです。

例えば、高齢者の移動データをもとにしたMaaSの提供や、医療データをもとにした予防医療の提供などといった新たなサービスを地域の課題に合わせて生み出すこともできます。

現在の政府の議論には「デジタル山を登ったらどんな景色が見えるのか=国民はどんな恩恵を受けられるのか」、というグランドデザインが全く欠けているということを強く指摘しました。

また、「海外はどの山をどのくらいの期間で登ったのか」という緻密な研究も必要です。トラストサービス(電子取引の信頼性を高めるための電子署名、eシール、タイムスタンプなどを含む包括的な電子認証サービス)においても、EUと米国のどちらの国際規格にのっていくのか。独自のものにするのか。ということを誤れば、日本がまた世界から周回遅れになる可能性があります。

5年間、10年間で私たちはどの山を何合目まで登る計画なのか。ということはデジタル本部でも国民にしっかりと示していきたいと思います。それを間違えれば国民の信頼がなくなってしまいます。

本日の会議では、思わず熱の入りすぎた質疑をしましたが、参加議員からは拍手喝采がおきました。私はこれまで民間時代に、名だたる企業の多くの大規模基盤系システムを立て直してきましたので、議員の中でも最もデジタル基盤に詳しいと自負しています。

デジタル本部の中のデジタル施策調査小委員会の委員長としても、国民にグランドデザインを示していけるよう、実務を担っていきたいと思います。


編集部より:この記事は参議院議員、山田太郎氏(自由民主党、全国比例)の公式ブログ 20201023日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は参議院議員 山田太郎オフィシャルサイトをご覧ください。

 

SankeiBiz(高木克聡)

2020.10.24

 政府が携帯電話大手の料金値下げ圧力を強める中、格安スマートフォン事業を運営する仮想移動体通信事業者(MVNO)が窮地に立たされている。価格に注目が集まることでMVNOが意識されるメリットは期待できるが、大手が大幅な値下げをすれば価格差が縮まり、料金が安いというMVNOの優位性が失われるからだ。各社は独自の生き残り策を打ち出すが、経営が立ちゆかなくなれば中長期的な市場競争を阻害する結果にもなりかねない。

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 MVNOは携帯電話大手の回線を借りて、サービスを提供する事業者。自前の設備を持たないため、料金を安く設定できる。一方、昼休みや大人数が集まる場所など、回線が混雑すると通信速度が低下する欠点がある。しかも、昨年から続く大手の値下げやMVNOの最大手だった楽天モバイルが、2980円という割安な自前回線サービスを開始したことで、各社が対抗策を打ち出している。

 日本通信は時間制限のない「かけ放題」とデータ容量3ギガバイトで月額2480円(税別)のプランを7月に開始。大手では1ギガ千円かかるデータ量の追加購入も250円に抑制。UQコミュニケーションズの「UQモバイル」は親会社のKDDI(au)が1日に統合、KDDIの格安ブランドとして運営されることになり、KDDIから他社のMVNOに乗り換える顧客の引き留めをねらう。

 しかし、民間調査会社のMM総研によると、MVNOの契約数は増えているが伸びは鈍化しているという。しかも政府の値下げ要請を受けて大手は20ギガで5千円以下という新プランを検討中だ。MVNO各社のプランは5ギガで2千~3千円程度。価格差が縮まるが、これ以上の値下げは困難なのが実情だ。

 MM総研の担当者は「MVNOは顧客満足度が高く、シェアが高まれば自然と価格競争が起こる」とMVNOの存在意義を強調する。政府には大手に携帯料金の引き下げを迫るだけでなく、MVNOへの乗り換えを促す対策も合わせて実施することが求められそうだ。

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