MONEY VOICE(らぽーる・マガジン)

202057

 

女優の柴咲コウさんがツイッターで、「新型コロナ感染拡大の中、種苗法の改正が行われようとしている」と警鐘を鳴らしました。日本の農業崩壊に繋がりかねない問題です。(『らぽーる・マガジン』)

本記事は、『らぽーる・マガジン 202054日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

ツイッターで「種苗法」改正に言及

NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で主演の女優・柴咲コウさんが自身の公式ツイッターで、「新型コロナウイルス感染拡大の中、種苗法の改正が行われようとしている」ことに警鐘を鳴らしていました。

種苗法の改正案には、農作物を新たに生み出した人や法人に「育成者権」を与えることなどが盛り込まれる方向で、ゴールデンウイーク明けから国会で審議される見通しです。

育成者の知的財産権が保護される反面、各農家による株分けや種取りなどが制限され、農業崩壊が起きる可能性も指摘されています。

そんな流れに対し、柴咲さんは、

「新型コロナの水面下で、『種苗法』改正が行われようとしています。自家採取禁止。このままでは日本の農家さんが窮地に立たされてしまいます。これは、他人事ではありません。自分たちの食卓に直結することです」

とツイートしています(編注:現在当該ツイートは削除されています)。

柴咲さんは、以前から自給自足生活への憧れを語るなど、農業や環境問題に強い関心を持っているようで、昨年は政府の環境特別広報大使にも任命されました。

改正のキーワードは「グローバル化」

種苗法は「しゅびょうほう」と読み、植物の新品種の保護が法律の目的となっていて、1991年に改正されています。

新品種開発の際、一定のお金を払って「登録品種」申請を行います。国から「育成者権」という、その登録品種の種苗の生産、増殖、販売などを、一定期間占有する権利が与えられるのです。

育成者権を得ると25年の間、登録品種の「種苗」「収穫物」「加工品」をビジネスとして利用する権利を専有することが保護されます。

新品種開発には、膨大な時間と労力がかかりますからね。当然、それに見合った対価を得るための権利は主張したいでしょう。

ここまでは、芸術作品、例えば漫画や楽曲の著作権に似た感じのイメージで理解しやすいものかと思います。

今回の改正のキーワードは、「グローバル化」にあります。

33日に改正案を閣議決定して国会に提出した農水省サイトの説明によると、日本で開発されたブドウやイチゴなどの優良品種が海外に流出し、第3国に輸出・産地化されるケースがあるなどとして、国内で品種開発を滞らせないよう、新品種を保護するのが目的としています。

有名な話が2018年韓国平昌冬季五輪でカーリング女子チーム「もぐもぐタイム」のいちごが、日本で開発された「とちおとめ」と「レッドパール」が、無断で韓国に流出されて現地で生産された高級イチゴだということです。

どのようなルートでこれら品種が流出したか正確なことは分かっていないものの、種子等の流出が水面下で行われているのは事実のようです。

ここまでの流れだと「なるほど」と思うのですが、話がややこしくなるのはここからです。ここからがわからなくなってきます。

さきほどの著作権にも似た「育成者権」が保証されないケースがあります。それは、

・試験または研究目的での利用
・農業者の自家増殖

です。

自家増殖

「自家採種」が栽培した植物の種子を採り、またそれを播くことで、「自家増殖」は、種子ではなく芽の出た芋を植えて増やしたり、ランナーという蔓が伸びたものを土に植えて増やしたり、株分けして増やしたりする栽培技術です。

改正か、改悪か

自家増殖には、農家の長年の知恵と経験が詰まっていると言えます。

今回の政府改正案では、「育成権」保証のために、「登録品種での自家採種などを制限する」内容も含まれています。「など」ですから自家増殖も含むのでしょう。

でも「自家増殖」は農家の腕の見せ所であり、品種改良の肝であり、いま食卓に並ぶ野菜や果物は、自家増殖のおかげで美味しく安定的に食べられているのです。

果たして今回の「種苗法改正」は、

・権利者保護の改正か
・農業経営圧迫の改悪か

すごく大事な内容かと思われますが、ほとんどというか、マスコミには一切取りあげられず、コロナ一色の風潮で、世間が知らない間に閣議決定され、連休明けから国会審議が始まるのです。

自家増殖が「鍵」か

農家などの現場サイドから出ている危惧は、以下の2つです。

1)自家増殖が一律禁止になるのではないか
2
)外国資本に種子が独占されるのではないか

まずは、今回の改正で、登録品種になると自家増殖が制限される(できなくなるとは言っていないが)ようで、だとすれば、登録品種でなければ自家増殖して良いということになります。

農水省の説明では、登録品種は種子全体の5%ほどだと説明しています。

現行法では、農家は原則として自家採種は認められていますが、これに対し農水省は、自家採種を禁止する作物を増やし続けています。

この禁止作物の数は、2016年には82種でしたが、2019年には372種になりました。ほうれん草や人参は登録品種ではありませんが、この禁止植物に入っています。

どういうことですかね。

「育成者権」の保護と、「自家増殖」の禁止。

そもそも種苗法を改正することになったきっかけが、日本特有の農産物品種が、海外で簡単に模倣されて栽培されているということにあります。

今回の改正では、米や果物、野菜の9割前後の一般品種は制限せず、ゆめぴりかのような米やシャインマスカットのようなブドウといった登録品種について、自家採種などを制限する内容となっています。

「日本の品種を守ることが、今回自家増殖(採取)を原則禁止とした背景にある」これが農水省の見解です。

農家サイドでは「自家増殖が一律禁止になるのではないか」という不安は消えないようで、これに対して農水省は「一般品種については自家増殖できるので、誤解が解ければ反対する理由はないのでは」と述べているようです。

前述の通り、自家増殖禁止の対象が数年で急速に増加していて、種苗法が成立した1978年には、農家の自家採種の慣行に配慮し、自家増殖を認めない植物は、挿し木等によりきわめて容易に繁殖するキク等の花卉類やバラ等の鑑賞樹に限られていましたからね。

農家の人たちが、農水省の見解を鵜呑みにできないのはよくわかります。

今後も品目リストを増やし、これまでの対象である栄養繁殖の植物だけでなく、種子繁殖の植物も追加していくと、農水省の回答があるようです。

「農民の種子への権利の抑制ではないか」

農家の人たちは、こう訴えています。

中でも改正の影響が今後出てくると予想される野菜の分野においては、野菜生産農家に情報が十分に行き渡っていないという指摘もあります。

その背景には、野菜の種子はほとんどが「F1品種」という自家採種できない種子が多く、また、近年野菜の登録品種の数も少しずつ上昇しており、今回の改正を契機にさらに増加する可能性もあるとの指摘があります。

「育成者権」保証もわかるが、自家増殖も必要という難しい選択のようですね。

登録品種の「許諾制」導入

種苗法改正のもう1つの問題は、登録品種の「許諾制」導入であるとされています。

登録品種を生産、増殖、販売などの目的で自家採種・自家増殖したい団体や農業者は、許諾契約(必要な場合は育成者に許諾料を支払う)によって「利用者権」が得られ、自家採種や自家増殖も可能となります。

その場合、利用者には育成者の示した利用条件を守ることが義務付けられます。

なお、登録品種の利用であっても、自家消費を目的とする家庭菜園や研究用での自家採種・自家増殖の場合、許諾は必要ありません。

これはどういうことかと言うと、自家増殖するのに「許諾料」という今までにない負担が発生するということです。

農水省によると、ある登録品種の稲の例では10aあたり3円、ブドウの苗木1本で60円という例があるそうです。野菜の種子は「F1」がほとんどのため、種子による自家増殖はそもそもできないのは前述のとおりです。

「外国資本に種子が独占されるのではないか」の懸念

種苗法の改正案には、農作物を新たに生み出した人や法人に「育成者権」を与えることが盛り込まれていることは説明しました。

ここで「人や法人」の法人です。いわゆる民間企業ですが、それは海外の事業者も含まれているのです。

新品種を育種登録するには数百万から数千万円の費用がかかるので、新しい品種の登録は大企業しかできないという側面があります。

育種権利者が都道府県から企業に代わった場合、都道府県との契約内容をそのまま企業が引き継ぐことになります。

世界のグローバル企業は、特許権、知的財産権でお金を儲けることは大得意です。

今回の改正案では、グローバル化が進む中で種苗法が本来の役割を果たせるように、登録品種の扱いが厳格化される見込みです。

201812月に制定された水道民営化法や漁業法改正と同じ方向性で、日本国民の水と食の安全と自給を犠牲にして、外国資本に日本の公益事業や産業を売り渡そうという政策だと、強く反対する意見もあります。

種苗法改正は、農村を支える家族農家などの生産基盤を脆弱化させる可能性もあるとの指摘もあります。

政府は今一度、農業者ら利害関係者とともに議論を行い、種苗法改正を検討する必要があるのではないでしょうか。

日本の「食」が危機

ずっと順を追って種苗法改正を考えてきましたが、憶測もありますが、可能性もゼロではないという、ちょっと怖いところにたどり着いてしまいました。

多くの著名人たちが、種苗法改正を危惧している理由が、少しわかったような気もします。

新型コロナ対策に追われる中で、「種苗法改正案」は不要不急なのでしょうか。

日本の自給率の問題もありますが、「アフターコロナ」で言われているのは、「世界的食糧不足」問題が深刻になるということです。

柴咲コウさんの警鐘は、著名人の発言だけに大きな反響を呼び、スポーツ紙も取り上げました。

種苗法改正だけでなく、政府は33日、家畜遺伝資源の不正流通を防ぐことを目的とした新法の家畜遺伝資源の不正競争防止法案と、家畜改良増殖法改正案も、閣議決定して、今国会で通過させようとしています。

 

コロナ禍の中、安倍政権が火事場泥棒的に進めた「種苗法改正」

今国会は見送りが決まったが、もし通れば日本の食と農業が壊滅する
ハーバー・ビジネス・オンライン(「月間日本」:山田正彦)

2020.05.23

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ばりろく / PIXTA(ピクスタ)


検察庁法だけじゃない! 安倍政権の火事場泥棒的行為

 コロナ禍の日本で安倍政権が火事場泥棒的に進めようとしていたのは検察庁法改正だけではない。「スーパーシティ法案」(参照:朝日新聞)や「国民投票法改正」や「種苗法改正」など、我が国の人と暮らしを脅かす法案をどさくさに紛れて成立させようとしていた。幸いなことに、柴咲コウさんのTweetなども影響し、見送りが濃厚となったが、あくまでも今国会だけの話。まだ油断できない状況だ。

 果たして「種苗法改正」の問題点とは何なのか? 『月刊日本 6月号』では、『売り渡される食の安全』(角川新書)などの著書がある元農林水産大臣の弁護士、山田正彦氏へのインタビューを行っている。  いま、コロナ禍のどさくさに紛れて安倍政権が何を破壊しようとしているのか。ぜひご一読いただきたい。

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                 『売り渡される食の安全』(角川新書)


日本のタネが企業に私物化される

―― 種子法廃止と同様、日本農業の根幹を変える種苗法改正案が提出され、今国会で成立する見通しです。
山田正彦氏(以下、山田): 種子法廃止はいわば「外堀」を埋めただけで、「本丸」は種苗法改正だったのです。これにより、海外企業によるタネの支配、ひいては農業支配への道が開かれます。

  ポイントは、タネを開発した「育成者の権利」(育成者権)の保護を強化するという点です。1991年にUPOV(植物の新品種の保護に関する国際条約)が改正されてから、知的財産の一つとして「育成者権」が認められるようになりました。作曲家は自分の作った楽曲の著作権を持っていますが、それと同じように育成者は自分の作り出した品種の育成者権を持っているということです。

 一方、日本が2013年に加入したITPGR(食糧・農業植物遺伝子資源条約)では「農民の権利」として、育てた作物に実ったタネを自分で採って植えるという自家採種・自家増殖の原則自由を認めています。  そのため、現行の種苗法では農水省が「登録品種」という枠組みで育成者権を保護していますが、それも含めて農家の自家採種は自由でした。

ところが、今回の改正によって登録品種の自家採取は原則禁止になります。これに違反した場合は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金(農業生産法人は3億円以下の罰金)が課されます。さらに共謀罪の対象になります。  ここには大きな問題があります。

現在、世界の種子市場は「バイエル・モンサント」、「ダウ・デュポン」、「シンジェンタ・中国科工集団」というグローバル企業3社が70%以上のシェアを寡占しています。彼らにとって農家の自家採取はビジネスの邪魔です。農家が自分でタネを採って植えていたら、自分たちのタネが売れないからです。

そこで、モンサントなどは世界各国で「育成者権の保護」を名目に、自家採取禁止法案を推し進めてきたのです。種苗法改正は世界中で批判された「モンサント法」そのものなのです。  自家採取禁止は30年前に中南米で相次いで成立しましたが、農民たちが暴動を起こしたため、その後どんどん廃止されました。しかし今、日本は周回遅れで同じ失敗を繰り返そうとしているのです。

 

農家が育てて得た種を植えただけで著作権侵害に!?

―― 種苗法改正で、農業の在り方はどう変わるのですか。
山田:登録品種の場合は自家採取が禁止されるため、農家は毎年タネを購入するか、自家採種の許諾料を支払わなければ作物を育てることができなくなります

 これに違反した場合は法的な罰則をうけるだけでなく、育成者権を持つ企業からも莫大な損害賠償を請求されます。カナダでは、モンサントの育成者権を侵害したとして、無実の菜種農家が20万ドルもの損害賠償を支払うよう命じられたケースがあります。

  一方、登録品種以外の伝統的な在来品種、また登録品種でも育成者権の期限が切れたものは従来どおり自家採種ができることになっています。しかし、油断はできません。現在、年間800種類もの作物が従来のものとは異なる新しい品種として登録されていますが、これらの品種は在来品種に少し改良を加えただけのものです。

そのため、「在来品種だから大丈夫だ」と思って育てていても、「それはうちの登録品種だ」と訴えられるリスクがあります。すでに国内でも在来品種を育成していたキノコ農家が民間企業から「育成者権の侵害だ」と訴えられるケースが起きています。  

いずれにせよ、今後は登録品種の育成が主流になっていくでしょう。登録品種には国の独立行政法人(農研機構)や都道府県が権利を持つ「公共品種」と、企業などが権利を持つ「民間品種」があります。

しかし公共品種の権利は民間企業に売却されてしまう可能性がある。実際、「農業競争力強化支援法」(2017年施行)という法律には、「試験研究機関や都道府県が有する種苗の生産に関する知見を民間事業者に提供することを促進する」と定められています。「種苗の生産に関する知見」を提供するというのは、育成者権を譲渡するということです。

また「民間事業者」には海外企業も含まれるというのが政府答弁です。 しかし民間品種を育成する場合、農家は企業に有利な契約を結ばされます。種子だけではなく農薬と肥料をセットで買わされ、不利な条件で働くことを強いられるのです。

その結果、農家はいわば「企業の小作人」、もっと言えば「企業の農奴」になりかねない。 今後、企業が国や都道府県から公共品種の権利を買い取っていけば、日本の種子市場は企業の民間品種で占められていきます。その結果、農家は企業から毎年タネを購入するか、許諾料を払わなければ作物を育てられなくなってしまう。

このままでは私たちの祖先が育み、私たちが税金で守ってきた日本の種子が企業に私物化され、それを買わなければ作物を育てることができなくなるかもしれない。「こんな馬鹿な話があるか!」という思いです。

 もちろん、まだ実際にそうなると決まったわけではありませんが、法改正によって制度上はそういうことが可能になる。日本農業は壊滅の危機です。


負担増、離農増、食料自給率低下の三重苦

―― 種苗法改正の影響はどこまで及ぶのですか。
山田:いま述べたように、今後農家は「企業の小作人」になりかねませんが、それ以外の農家は廃業を余儀なくされるでしょう。種苗法改正は農家に「隷属か、さもなくば廃業か」という踏み絵を突きつけているのです。

 まず種苗法改正によって生産コストが上がります。これまで自分たちで採ったり増やしたりしていたタネや苗を購入するようになれば、追加コストがかかるからです。生産コストが上がれば、経営が立ちいかなくなる農家が続出します。たとえば、コメの専業農家である茨城県の横田農場は8品種のコメの種子6700キロを自家採種していますが、これらをすべて購入しなければならなくなると、350~490万円の負担増になります。同社は農水省の検討会で「これでは経営がたちいかなくなる」と訴えていました。

 しかし、これはあくまでも公共品種のタネを購入した場合の試算であり、民間品種のタネを購入した場合はさらにコストがかかります。コメの場合、公共品種のコシヒカリに比べて、民間品種のみつひかり(三井化学)の価格はすでに8~10です。野菜のタネは公共品種からモンサントなどグローバル企業が海外で生産する民間品種に移行した結果、30年で価格が4050倍に上がりました

 特に深刻なのは、これまで苗を購入して自家増殖していたイモ類やサトウキビ、イチゴやリンゴやミカンなどの果樹を生産する農家です。あるイチゴ農家は「苗の購入額はイチゴの売上と同じになる。これでは商売にならない」と訴えていました。その中でも屋久島、奄美、沖縄、石垣、宮古にわたる南西諸島の主要産業であるサトウキビは壊滅的打撃をうけるでしょう。

 経営が立ち行かなくなる農家が続出して離農が進めば、食料自給率はさらに下がります。日本の食料自給率はすでに2018年に先進国最低かつ過去最低の37パーセントに落ち込んでいます。実際にはTPP11や日米FTAの影響で35%を切っていると思いますが、ここからさらに下がる。新型コロナウイルスの影響で一部の食料輸出国が輸出規制に乗り出したため、各国は食料の確保に動いていますが、日本の動きは完全に逆行しています。

 食料安全保障だけでなく安全保障そのものも脅かされます。種苗法改正でサトウキビ農家が全滅すれば南西諸島から住民がいなくなり、太平洋の安全保障が脆弱になるからです。種苗法改正は農業だけの問題ではないのです。


コロナ打撃の農家に追い打ちをかける安倍政権

―― 農家がコロナ危機の打撃をうけている中で、安倍政権は農業の根幹を破壊する法案を通そうとしている。
山田:コロナ危機のドサクサ紛れに短時間で強行採決に持ち込む。検察庁法改正案と同様、火事場泥棒の手口です。

 しかし、対抗手段はあります。種子法廃止の際は全国62の地方議会が意見書を提出・採択し、その後は各自治体が種子法に代わる「種子条例」を次々と制定して、公的機関が公共のタネを守る体制を存続させることができました。

  それと同じように、たとえ種苗法改正が阻止できなかったとしても、全国で「種苗条例」を制定すればいい。それによって公共品種の売却を制限したり、自治体が権利をもつタネについては従来通り自家採種の自由を認めることができます。

広島県のジーンバンクのように、各県にある多様な在来品種を発掘調査・保存管理するのも大切です。  すでに10ほどの地方議会が種苗法改正に対する意見書を提出していますが、その背景にあるのは国民の声です。今回も国民が声を上げることで、状況は変えられると信じています。 (5月1日インタビュー、聞き手・構成 杉原悠人)