天牛(紙切り虫)

私が関心のある、気に入った、「新聞」・「メルマガ」等のニュースをまとめて紹介します。「コメント」は歓迎ですが、「公開」の前に、判断をさせていただきます。

2019年11月

191130 M&Aでの事業継承 拡大(1)ー中國新聞
191130 M&Aでの事業継承 拡大(2)ー中國新聞
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2.中小企業の「2025年問題」──根深い事業承継問題ーNEWSweek(2019.11.7)

http://kairou38.livedoor.blog/archives/20810499.html

 

1.後継者に悩む中小に未来の社長 山口FGが初ファンドー朝日新聞(2019.10.9)

http://kairou38.livedoor.blog/archives/20403474.html

DIAMOND online(姫田小夏:ジャーナリスト)

2019.11.29

21世紀に入って、ビジネスや旅行など多方面で日中交流が活発になり、中国人は日本人に様々な印象を抱くようになった。良いものもあれば、当然、悪いものもある。今の中国人が持つ「日本人イメージ」を取材した。(ジャーナリスト 姫田小夏)

中国人が刮目する日本の「匠の精神」

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                         「匠の精神」は中国では書籍になって販売されている Photo by Konatsu Himeda(以下同)

 
かつて、中国人が抱く日本人像は単一なものだった。映画やドラマを通してみる日本人像は、軍人、亭主関白、良妻賢母というのが典型的なイメージだった。ところが、21世紀に入り経済交流や民間交流が活発になると、より“リアルな日本人”に接する機会が増え、そのイメージは大きく変化する。

 日本人像を巡って近年、中国人が“刮目”したのは「匠の精神」だ。ここ数年、書店には「匠の精神」をテーマにした書籍が並んでいる。「脇目もふらない、一心不乱のものづくり」という日本人の集中力は中国人の間でも広く知られるようになったが、中国政府の要人でさえも、これに一目置いている。

 今年2月、国務院国有資産監督管理委員会が発行する雑誌『国資報告』に「“工匠精神”縦横談」と題した文章が掲載された。「工匠精神」とは「匠の精神」の中国語である。文章は冒頭で、迎賓館や国会議事堂の家具を手掛けた有限会社秋山木工(神奈川県)の代表取締役秋山利輝氏を紹介しつつ、「この『匠の精神』の不足が中国製造業の発展のボトルネックになっている」と述べている。中国では、どのようにしてこの「匠の精神」を高めることができるのか、国を挙げたテーマとなっているようだ。

 実際、上海同済大学のMBAコースで学ぶ張艶さん(39歳)は、「中国人と日本人との違いは何かを考えたときに、『匠の精神』が決定的な差になっていると感じました」と話す。また、陳玉さん(42歳)が「中国でもこれと似たような『干一行愛一行』(「行」は中国語で職業の意味)という言葉をメディアがよく取り上げます」と語るように、自分の仕事にもっと誇りを持とう、という呼びかけが行われるようになった。

 一方で、上海在住の日本人からは「日本人が全面的に尊敬されているとは思えない」という声も聞かれる。上海の日系企業に勤務する柴崎美紀さん(仮名、46歳)さんは、「長年ここで生活していますが、むしろ日本人としての肩身の狭さを感じています」という。現地採用を希望する日本人への就労ビザ申請を例に、柴崎さんは次のように話す。

「私は日系企業で総務の仕事が担当で、就労ビザ申請のためによくビザセンターに足を運びましたが、採用予定の日本人応募者の履歴書を見て『なぜこのレベルで通訳ができるのか』と、書類を突き返されてしまいました」

 通訳が必要ならばローカル人材で十分、わざわざ日本から呼び寄せる必要はないじゃないか、というのが当局の言い分だ。背景にあるのは、「中国人の日本語」は「日本人の中国語」よりはるかに秀でているという現実である。

飲みに行っても日本人は支払いを渋る

 2000年代半ば、雇用が冷え込みリストラの嵐が吹き荒れた時期に、日本を飛び出した若者は「現地採用の即戦力」として上海の日系企業で歓迎された。日系企業にとって客先が日系企業であることが多く、日本流の商習慣やビジネスマナーが身に着いている日本人求職者は引っ張りだこだった。

 ところが近年は、日中の商習慣を身に着け、日本語も流暢な「中国人人材」が続々と輩出されるようになった。「欧米への留学経験あり」「3カ国語を話すのは当たり前」、さらには「ITの高い専門性」など高度な中国人人材の出現で、日本人の存在感はかすんでいく。

 半導体関連企業の上海子会社に在籍する中国人管理職は、「現地採用や駐在員にかかわらず、海外で競争力を発揮できる日本人といえば、もはや『技術者』だけと言っても過言ではありません」と断じる。

 ちなみに、日本人の現地採用者の給与相場は2020年を目前にし、2000年代のおよそ倍になったが、中国人材の紹介を中心に事業展開する上海霓索(NISSO)人力資源服務有限公司の杉川英哲総経理によれば、「海外志向を持つ日本人は、中国よりも東南アジア諸国に目を向けている傾向があります」という。日本では就活生の間でアリババやファーウェイなど中国企業への関心が高まっているともいわれているが、中国では「日本人の求人、応募者数とも大幅に減少しているのが現状」(同)だ。

 日中ビジネスに携わる中国人にとって、日本企業からの出張者と一献交えるのも仕事のひとつだ。上海で輸出業務に携わる宋衛平さん(55歳・仮名)は、日頃、日本人ビジネスマンと接して思うことを率直に語ってくれた。

「ビジネスパートナーの日本人と一緒に飲みに行く機会が多いのですが、彼らが進んで支払いを済ませることは稀で、私が会計するのをじっと待っています。ホテルでは、たった10元(約150円)のボーイのチップも抵抗があるようです。日本人の生活の苦しさを目の当たりにすることが増えました」

「日式子育て」が中国人ママの間で人気

 ビジネスシーンから民間交流に目を転じれば、そこにはまた異なる日本人像が浮き上がってくる。買いたいものを買い、行きたいところにも行きつくした上海の中国人たちは、「日本再発見」の対象を“日本人そのもの”に向けるようなった。その1つが、“日本人の子育て”である。

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                            上海では「子どもを甘やかして育てた」との反省から、日式子育てに関心が向けられている

 
日ごろから中国人ファミリーと積極的に交流している上海在住の天白舞乃(てんぱくまいの)さん(36歳)は、「周囲の中国人がやたら“日式子育て”を褒めてくれるようになった」といい、その“逆発見”をこう語る。

「中国では親が子供の学生鞄を持つのが普通ですが、『日本人は自分で持って通学するんでしょ』と感心されます。電車通学する小学生が静かに読書をする姿を目撃した中国人は、『すごいよね』と驚嘆しています。去年、うちに遊びに来た中国人の友人は、冬の室内で靴下を脱いではしゃぐ息子を見て、『これが日本の教育だよね』と言ってくれました」

 上海では、冬は子供に厚着をさせるという根強い習慣があるが、運動能力をそぐといったマイナス面も存在した。学校への送り迎えは親が付き添い、その荷物を親が持つのは、宿題山積みの我が子の負担を少しでも減らしたいという親心からだ。過去には誘拐事件が多かったことで、親は神経質になった。何より、1979年~2015年までは「一人っ子政策」だったのだから、親は「たった一人の我が子」に対して過保護にならざるを得ない。

 日中の違いにはこうした風土や社会的背景の違いがあるが、近年の中国人に「学ぶべきは学ぶ」という虚心坦懐さが強く表れるようになったことは、大きな変化だといえる。

 1940年代生まれ――現在70代の中国人は、日本人に対してかなり用心深い世代だ。上海でも「身内が日本軍の犠牲になった」という家庭は少なくない。上海市閔行区に在住の趙偉峰さん(仮名、70歳)もそのひとり。「日本軍から命からがら逃げた」という親の記憶を語り継がれて育った世代だ。

日本嫌いだった夫の心を溶かした太宰府での出来事

 その趙さんには、捨てられない“思い出の傘”がある。2017年に日本を訪れた際、ある日本人からもらったビニール傘だ。

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                                    「これがそのビニール傘です」と立ち上がって見せてくれた

 
趙さんは今、筋肉が硬直して歩行が困難になる難病を患い、苦しい闘病生活を送っている。発声能力もかなり低下してしまった夫に代わって、妻がビニール傘の話をしてくれた。

2年前、まだ少し歩くことができた夫を連れて、これが最後の旅行と覚悟して日本を訪れました。体への負担を考えて選んだのが、博多と釜山をめぐるクルーズツアーでした。太宰府を観光した際、私の肩につかまりヨロヨロとしか歩けない夫を、どこかの商店の奥さんが見ていたのでしょう。後ろから追いかけてきて、ビニール傘を差し出してくれたのです。『杖の代わりに使って』と、身振り手振りで示してくれました。あわてて財布を取り出して代金を払おうとすると、『いらない、いらない』と手を振って、彼女はそのまま走り去っていきました。その傘を、夫は今なお宝物のように保管しているのです」

 妻によれば、趙さんはそれまで頑なに「日本にだけは行きたくない」と言っていた時期もあったという。だが、この最後の訪日旅行が、趙さんの心の中の“日本人像”を大きく変えた。

 同じ東アジア人で、見た目はそっくり。けれども互いに異なる点がいっぱいある――。私たちが中国人に対して果てしない関心を抱くように、中国人もまた日本人に無関心ではいられない。ときには失望したり、ときには再発見に感動したり。恐らく日本人と中国人はこれを連綿と繰り返す“間柄”なのかもしれない。

日経ビジネス(記者:佐伯 真也)

20191128

 シャープの子会社であるAIoTクラウド(東京・江東)は1128日、ビジネスチャットと音声・ビデオ会議機能を搭載した法人向けのコミュニケーションサービス「LINC Biz(リンクビズ)」を発表した。同日より機能が制限された無料プランの提供を開始、20201月から有料プランの展開を始める予定。「大企業というよりは従業員が300人未満の中小企業がターゲット。20年には1万社への導入を目指したい」。発表会で登壇したAIoTクラウドの赤羽良介社長はこう意気込んだ。

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                                法人向けのコミュニケーションサービス「LINC Biz」を使ったビデオ会議のデモの様子

 

 AIoTクラウドは、シャープが成長戦略に掲げているAI(人工知能)とIoTを融合させた「AIoT」事業のソフトウエア基盤を手掛けていた部門が独立し、8月に設立された。ソフトウエア基盤の他社への提供や、基盤を生かした法人向けサービスを手掛ける。今回のLINC Bizは、第1弾のサービスとなる。

 ビジネスチャットは、米スラック・テクノロジーズの「スラック」や米マイクロソフトの「チームズ」などが先行しており、AIoTクラウドは後発での参入となる。ただ総務省が18年に公表した調査では、日本での普及率は「ビジネスチャット」が23.7%、「テレビ会議、ビデオ会議」が32.6%という。赤羽社長は「米国に比べてかなり低く、まだまだ伸びる市場だ」と強調する。

使い勝手と低料金で差異化

 巻き返しへ向けて、AIoTクラウドが先行する他社サービスとの差異化ポイントに掲げるのが使い勝手などの機能面と料金の安さだ。

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                                「LINC Biz」のビジネスチャット画面

 

 機能面では、チャットでの議論から、ワンクリックでビデオ会議に移行できる機能を搭載。チャット上で共有した資料を、ビデオ会議上で共有しコメントなどを追記できる機能も備えた。「チャットとビデオ会議をシームレスにつなげるサービスはまだないと思う」と赤羽社長は話す。

 料金面では、1月から始める有料プランは1ユーザー当たり月350円とし、中小企業でも導入しやすいようにした。赤羽社長は「十分利益が取れる」と語る。

 販売戦略では、シャープグループとの連携も視野に入れる。「(東芝から買収したパソコン事業を手掛ける)ダイナブックと連携していくのが次のステップ。シャープの法人営業部隊を活用することもあり得る」と赤羽社長は話す。

 機能と料金の両面でビジネスチャット市場でのシェア拡大を狙うシャープ。ただ機能面では、スラックやチームズに対する明確な差を打ち出しているとは言い難い。マイクロソフトはクラウド上で「ワード」などの業務ソフトを使う「オフィス365」のサービスの1つとしてチームズを提供しており、対抗するにはさらなる機能強化も必要だ。AIoTクラウドもチャット機能と各企業のITシステムや外部のクラウドサービスを連携させることで「拡張機能を実現していく」(赤羽社長)方針を示している。

シャープの戴正呉会長兼社長は成長領域に掲げるAIoTについて「BtoB(企業向けビジネス)に勝機がある」と語る。今回のLINC Bizは、成長戦略上も重要なサービスと言える。米IT大手など競合ひしめく「レッドオーシャン」で勝ち抜くには、機能拡張を含めて絶え間なく機能を進化させていくことが求められるのは間違いなさそうだ。

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Newsweek

20191128

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ペットボトルの山を仕分けるインドネシア人家族 Beawiharta-REUTERS

 

<中国の受け入れ拒否でプラごみ輸出の矛先は東南アジアへと変わったが>

30年ほど前から、アメリカや日本を筆頭とする先進諸国は大量のプラスチックごみ(プラごみ)をせっせと遠くの国へ輸出してきた。総量は約16800万トン。行き先は、もっぱら中国だった。

その中国は昨年、ついに愛想を尽かしてプラごみの輸入を禁止した。慌てた先進諸国は、急場しのぎで輸出先を東南アジア諸国に変更した。おかげでマレーシアやベトナム、タイ、インドネシアにはプラごみの洪水が押し寄せ、環境にも住民にも深刻な被害が出ている。

こんなことは持続不能だ。今年5月には国連で、180カ国以上がプラごみをバーゼル条約の規制対象に加えることに合意した。この条約は有害な廃棄物の国際移転を規制するもの。今回の決議で、汚れたままで分別されておらず、リサイクルできないプラごみの輸出には受け入れ国の同意が義務付けられた。

EU諸国は既に、バーゼル条約の対象となる有害廃棄物を国外へ搬出することを法律で規制している。今後は汚れたままで分別されていないプラごみを途上国に送り込んで処理を委ねる行為も禁止されるだろう。

これで先進国発東南アジア行きの「プラごみ貿易」が減るのは間違いない。しかし現地にあふれるプラごみは既に人々の生活に欠かせない水路を汚染し、火災や不法投棄などを引き起こしている。

野放しのプラごみ貿易は受け入れ先の人々の暮らしに悪影響を与えている。タイ中部チャチューンサオ県にあるコックフアカオという村では、昨年、外国系のごみ処理施設が稼働して以来、地下水が汚染されて飲めなくなっている。

当然のことながら、アジアの国々はプラごみ貿易の規制強化を歓迎している。しかし世界中の誰もが支持しているわけではない。世界最大のプラごみ輸出国であるアメリカや石油化学業界、一部のリサイクル業団体は反対している。

アメリカはバーゼル条約に加盟していないから、今回の規定変更に反対票を投じる立場にもなかった。それでも今後は、汚れたままのプラごみを海の向こうの途上国へ押し付けることが難しくなる。

プラごみはリサイクル不能

こうした流れが続けば、結果として海のプラスチック汚染も改善されるはずだ。ごみ輸出国(世界に冠たる先進国ばかりだ)も自国の領土内で、しっかりプラごみを処理せざるを得なくなるだろう。

現実問題として、先進国の消費者はプラスチック製品を分別してリサイクルに回したつもりでいるが、実際には洗浄やさらなる分別が必要なものを簡単に処理して途上国へ押し付ける例が多い。適正なリサイクルやごみ削減の努力より往々にして安上がりだからだ。一方、受け入れた東南アジア諸国でもプラごみは適切にリサイクルされず、たいていは焼却されるか埋め立てられ、そのまま自然環境に放置される場合もある。

インドのムンバイや台湾、バヌアツなど、アジアの諸国・諸都市は使い捨てプラスチック製品の禁止に乗り出している。EU5月、使い捨てプラスチック製品の使用削減などを義務付ける新法を採択し、使用を禁ずる品目を定め、製造元に廃棄と処理の費用負担を求めることにした。またオーストラリア政府も廃棄物処理の規制を強化している。

ある意味、こうした変化は中国が先進諸国からのプラごみ受け入れに「ノー」を突き付けたことの意図せざる結果だ。おかげで、プラごみに関してはリサイクルが解決策にならないという認識も広まった。なにしろ19502015年の間に地球上で生産された膨大な量のプラスチック製品のうち、リサイクルできたのはわずか9%にすぎないのだ。

つまり、プラごみの問題は排出源を絶たなければ解決できない。まずは使い捨てプラスチック製品の生産を減らし、そうした製品やその輸出で稼ぐ企業に責任を取らせることが必要だ。アジアを世界のごみ捨て場にすることは、もう許されない。

<本誌20191126日号掲載>

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6.大海の真っただ中を漂う 微細なプラスチックごみーMIDOsan(2019.8.1)

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.「プラごみ後進国」日本に近づく、レジ袋やペットボトルがなくなる日ーDIAMOND online(2019.7.23)

    http://kairou38.livedoor.blog/archives/18926791.html

4.廃プラ削減へ、枠組み創設大筋合意 G20会合で環境相 -日本経済新聞(2019.6.15)

    http://kairou38.livedoor.blog/archives/18213751.html

3.プラごみ輸出3割減 18年 中国が規制 行き場失うー中國新聞(2019.2.22)

    http://kairou38.livedoor.blog/archives/18182825.html

2.プラごみ 部会見送り 国連環境総会 米に配慮し妥協ー中國新聞(2019.3.15)

    http://kairou38.livedoor.blog/archives/18182779.html

1.輸出を規制、バーゼル条約締約国が合意 汚れた廃プラ-日本経済新聞(2019.5.11)

   http://kairou38.livedoor.blog/archives/18182727.html


「消えた留学生」問題への政府の対応は実効性に乏しい

 

JBpress(出井康博 新潮社フォーサイト)

2019.11.28

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出入国在留管理庁は「厳格化」方針を出したが・・・(写真は東京入国管理局、現東京出入国在留管理局:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 法務省出入国在留管理庁が1025日に発表した統計によれば、在留外国人の数は今年6月末時点で2829416人に達し、過去最高を更新した。昨年末からの半年間で10万人近い増加である。

 増加分の4割以上を占めたのがベトナム人だった。その数は371755人に達し、2012年末からの6年半で7倍以上も増えている。国籍別で中国の786241人、韓国の451543人に次ぐ数で、近い将来、韓国を抜く可能性が高い。

技人国ビザは増えたが留学生は減った

 在留資格別では、「技術・人文知識・国際業務」(技人国ビザ)が13.6パーセント増えて256414人、「技能実習」が12パーセント増の367709人となった。

 技人国ビザは日本で就職する留学生の大半が取得する。また、同ビザを得て海外から来日する外国人も増えている。そして実習の増加は、単純労働における人手不足があってのことだ。

 一方、今回の統計には、1つの変化も見られた。昨年末までの6年間で16万人近く急増していた留学生が減少に転じ、336847人に留まった。減少幅は150人強ほどに過ぎないが、近年の急増ぶりと比較して際立つ。

 留学生の増加が続いていたのは、アジアの新興国から出稼ぎ目的の“偽装留学生”が大量に受け入れられた結果だった。そして今回の減少には、入管当局が一部新興国の出身者に対し、留学ビザの発給を厳しくしたことが影響した。今後、“偽装留学生”の流入は止まっていくのだろうか。

入管庁は「厳格化」方針を出したが

“偽装留学生”をめぐっては、今年3月に東京福祉大学で「消えた留学生」問題が発覚した。過去1年間だけで、約700人もの留学生が所在不明になっていた不祥事だ。その後、政府は対応策を打ち出している。

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                                    多数の留学生が所在不明となっていた東京福祉大学池袋キャンパス(写真:アフロ)

 まず、入管庁が6月、留学生を受け入れた専門学校や大学への監視強化策を発表した。文部科学省と共同で作成した<留学生の在籍管理の徹底に関する新たな対応方針>である。「除籍」や「退学」の留学生を多く出し続けた専門学校や大学には、留学生の受け入れを認めないのだという。

 続いて8月には、日本語学校に対しても監視を強化する方針が打ち出された。日本語学校が留学生を受け入れるためには、法務省の「告示校」となる必要がある。その基準を厳しくしたのだ。

 入管庁の方針に関し、大手紙は見出しでこう伝えた。

〈日本語学校を厳格化 9月から新基準 悪質校を排除〉(201981日『日本経済新聞』電子版)

〈日本語学校の設置基準を厳格化へ 就労目的の来日防ぐ〉(2019831日『朝日新聞』電子版)

 日本語学校は留学生にとって日本の入り口だ。留学生の急増によって、最も恩恵を受けたのも日本語学校である。その数は近年急増し、大学をも上回る約750校にも上っている。ただし、営利目的で“偽装留学生”を受け入れ、「教育機関」とは程遠い実態の学校も数多い。

 そうした実態を入管庁が認識し、対策に乗り出すのであれば望ましい。問題は、新たな基準によって〈悪質校を排除〉でき、“偽装留学生”の〈就労目的の来日〉が防げるのかという点だ。

「出席」を留学生に「売る」学校もある

 法務省は今回、日本語学校の告示を取り消す基準として、主に以下の2点を追加した。

■在籍する留学生の6カ月間の出席率が7割を下回った場合。

■卒業生のうち、進学か就職するか、もしくは日本語能力「CEFRA2」相当以上と認められる留学生の割合が3年連続で7割を下回った場合。

 こうした新基準の実効性はどうなのか。

留学生の出席率については、これまでの「1カ月間の平均出席率が5割」から引き上げられた。日本語学校の授業は週20時間で、クラスは午前もしくは午後のみしかない。授業には、夜勤アルバイトに追われる“偽装留学生”であろうとたいていは出席する。

 出席率の低さは留学生の失踪につながるため、日本語学校は最も注意を払う。失踪者を多く出せば、入管当局から目をつけられ、新入生の受け入れに悪影響が出るからだ。学校側が先手を打ち、出席率に問題のある留学生を母国へ強制送還してしまうケースも横行している。だから留学生も強制送還を恐れ、出席率は維持しようと努める。

 しかも、留学生の出席率は日本語学校からの自己申告だ。日本語学校には、「出席」を留学生に「売る」ような学校もある。留学生が学校に金を払えば、出席扱いにしてくれるのだ。こうした現状から考えて、出席率に対する監視の強化が、日本語学校の〈厳格化〉につながるとは思えない。

基準が「N4」ではいかにも低い

 卒業生の7割に「進学」か「就職」、「CEFRA2」相当以上の日本語能力を求めるという基準はどうか。

 日本語学校にとって進学者を増やすことは難しくない。留学生の日本語能力を問わず、学費さえ払えば入学を認める専門学校や大学はいくらでもある。

 就職に関しては、数年前までは日本語学校を卒業した後、大学などを経ず日本で職に就く留学生は珍しかった。しかし最近では、日本語学校から直接就職する者が増えている。

 日本の大学や専門学校を卒業していなくても、母国の「大卒」という資格があれば技人国ビザの取得は可能だ。もちろん、なかには日本語学校で語学を習得し、母国で学んだ専門知識を活かせる仕事に就く外国人もいる。

 だが、日本語学校生の間では“偽装就職”が増えている。技人国ビザで認められたホワイトカラーの仕事に就くよう偽って資格を取得し、実際には工場などで単純労働に就くというものだ。数十万円の手数料さえ払えば、仕事の斡旋からビザ取得までブローカーが担ってくれる。進学と同様、就職者が多くても、日本語学校の質とは無関係だと言える。

 では、卒業生に一定の日本語能力を求めることは、学校運営の〈厳格化〉につながるのか。

今回の改定には、日本語能力の判定に「CEFRA2」という馴染みのない基準が導入された。「CEFR」は「Common European Framework of Reference for Languages」の略で、日本語では「ヨーロッパ言語共通参照枠」と訳される。「CEFR」の「A2相当以上」とは、いったいどれほどの語学力なのだろうか。

 入管庁によれば、判定には6つの外部試験が用いられるという。そのなかで最も一般的な日本語能力試験では、「N4以上」が「CEFRA2」に相当するとしている。日本語能力試験にはN1からN5まで5ランクがあるが、「N4」は下から2番目の初級レベルに過ぎない。専門学校や大学への入学で目安となる「N2」より2ランクも下だ。

 留学生は日本語学校へ入学する際、「N5」レベルの日本語習得が求められる。そして日本語学校には通常、1年半から2年間にわたり在籍する。1年半以上の勉強の成果を測る基準が「N4」というのは、いかにも低い。

 ちなみに、ベトナムから経済連携協定(EPA)で来日する看護師や介護士の場合、1年間に及ぶ現地での語学研修中に「N3」を取得しなければ来日が認められない。

 しかも、「N4」の日本語を身につけた卒業生が、進学や就職した者と合わせて「7割」に達していれば、日本語学校は新基準をクリアできる。果たしてこれで、大手紙が記事の見出しに掲げる〈厳格化〉と呼べるのだろうか。

身内ばかりの有識者会議

 それにしても、なぜ「CEFRA2」だったのか。わざわざ欧州の基準など引っぱり出さなくても、「N4相当以上」とすればすむ。敢えて「N4」を避けたのは、〈厳格化〉の中身のなさを隠したかったのではないかと疑ってしまう。

CEFRA2」の導入は、文科省の有識者会議を経て決まった。

 会議のメンバーは5人で、日本語学校経営者が2人、日本語教育を専門とする大学名誉教授が2人、残りの1人が文科省傘下の独立行政法人「日本学生支援機構」(JASSO)幹部という構成だった。学校経営者はもちろん、日本語教育の専門家やJASSOにしろ、皆、日本語学校業界の「身内」である。そして「留学生30万人計画」の現状肯定派ばかりだ。

 有識者会議では、

〈外部試験を受けない生徒の日本語能力が把握できるよう、各日本語教育機関が実施する学内試験等を活用することの可能性について引き続き検討する必要がある〉

 との意見も出ている。「CEFRA2」の判定を外部試験に頼らず、日本語学校の内部評価に任せよというのだ。

入管庁に確認すると、

「現時点で日本語教育機関における内部の評価等を用いることは予定していません」(同庁在留管理支援部在留管理課)

 とのことだが、文科省の意向次第では、今後どうなるか怪しい。

 文科省による「外部試験」導入に関しては、日本人の高校生に対する英語でも最近問題となった。英語の外部試験導入は世論の反発で延期されたが、高校生と同様、留学生にとっても負担はある。日本語学校が教育機関として機能しているならば、〈学内試験の活用〉があっても何ら問題ない。しかし、内部評価が信頼できない日本語学校は数多い。そもそも日本語学校に問題が多いからこそ、今回の〈厳格化〉も導入されたのだ。

 本来であれば、日本語学校の運営基準に卒業生の日本語能力を課すことはおかしい。日本語学校とは、様々な目的を持った外国人の受け入れ先となる存在だ。日本での進学や就職を目指していない外国人も受け入れ対象となる。海外の語学学校に留学する日本人にも、単に遊学目的の人がいるのと同じである。にもかかわらず、低レベルの基準を導入して〈厳格化〉をアピールするのは、単に「アリバイ作り」が目的だとしか思えない。

政府の本気度は疑わしい

 入管庁と文科省が共同で6月に発表した『留学生の在籍管理に関する新たな対応方針』では、冒頭でこう強調されている。

〈我が国での就労を目的とする留学生を安易に受入れることは、留学生本人の不利益につながるとともに、(中略)適正な留学目的で来日する留学生も含めた、留学生制度全体の信頼・信用の失墜につながる。〉

 それはまさに本連載(新潮社フォーサイトでの連載)で繰り返し強調してきたことである。しかし、政府の本気度は疑わざるを得ない。

 同方針には、大学の非正規・別科や専門学校に対し、

〈大学入学相当(日本語能力試験N2相当)の日本語能力を入学時に求めているかについて確認、法務省に通告〉

 とある。これは大学や専門学校が入学を認める留学生に対し、「N2相当」の日本語能力を求めるという意味なのか。

 文科省高等教育局学生・留学生課に尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「大学(非正規・別科)や専門学校の全課程に一律にN2相当を条件化するわけではありませんが、大学レベルの教育を日本語で行う課程等は、原則N2相当を求める方向で検討中です」

日本語学校や一部の専門学校、大学に配慮して

 小難しい言い回しだが、要はこれまでと変わらず、日本語能力に関係なく大学や専門学校が留学生を受け入れることを認めるわけだ。

 9月に新潮社フォーサイトに掲載した連載(『「文科省」「入管」「自治体」「学校」ブータン留学生を食い物にする「日本」の罪(中)201995日)で取り上げた上野法科ビジネス専門学校のような学校も、今回の方針で影響を受けることはないだろう。

 東京福祉大で「消えた留学生」問題が発覚し、政府は対応を迫られた。そして実効性に乏しい〈厳格化〉の政策を打ち出し、事を収めようとしている。

 過去数年間のような“偽装留学生”の急増こそ、今後は起きないかもしれない。

 かといって、政府には彼らの流入を完全に止める意思もなさそうだ。日本語学校や一部の専門学校、大学に配慮してのことである。その政策は、将来の日本にとって本当に有益なものなのだろうか。

 

出井康博
1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)

 

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